北京飯店旧館にて を読む

中薗英助氏のエッセイ 「北京飯店旧館にて」 を読んだ。
1937年から、1946年にかけて、中国大陸に青春時代を賭けた、中薗青年は
抗日、親日を超えた、中国人文学青年たちと友情を築こうとする。
しかし、時代は、混乱から戦火に覆われ、個人の力ではどうしようもない
流れの中に投げ込まれる。
 中薗氏の名前は、聞いたことがある程度だった。2002年に死去されて
おられる。 おっさんが、中国語を習い始める以前であった。

エッセイは、41年ぶりに訪問された北京の街を、若き日の記憶をもとに
訪ね歩く自身の姿を描いておられる。
中でも印象的なのは、当時のアイドル、周璇の歌った 「何日再君来」 
の作曲家の「劉雪庵」 に関する情報を求めての個所である。
君 と 軍 が 同音の jun  であることから、いつの日に紅軍はくる
という意味にもとれる歌詞をめぐり、当時の北京の緊迫した姿を
なんとなくではあるが、偲ぶことができる。
また、文化大革命による、文化人への徹底した弾圧も、関連して改めて
押さえておく必要があると思う。 現代につながっている話だから。
「何日再君来」 は、台湾の歌姫 テレサ テン で有名だ。

白天听鄧小平 晩上听鄧郦君
というのは有名なジョークだが
彼女もまた、謎の死を遂げていることに、運命の不思議さを感じる。

まだ読まれたことのない方には、お勧めの1冊です。





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by minamihorie | 2010-06-26 17:45 | 学習中文 | Comments(0)  

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